Metal Surface Treatment金属表面処理
ガス浸硫窒化処理
窒化層の上に浸硫層を形成させる処理。潤滑性のある浸硫窒化層の形成により、耐摩耗性、耐焼付性、耐かじり性、耐疲労性、耐食性などが向上します。
- 表面組織写真(SCM415)
適用材質と表面硬さ(参考)
材質 | 表面硬さ | ||
---|---|---|---|
MHV100gr (白層部) |
HRC(換算) | HS(換算) | |
炭素鋼 S45C |
600~800 | 55~64 | 74~88 |
合金鋼 SCM415 |
700~900 | 60~67 | 81~95 |
ステンレス鋼 SUS034 SUS420J2 |
800~1300 800~1300 |
― ― |
― ― |
金型鋼 SKD61,11 |
800~1400 | ― | ― |
- 特徴
- ●耐焼付性、耐かじり性
浸硫層が固体潤滑剤のような働きをするので、過酷な使用条件で効力を発揮。無潤滑、高負荷など使用条件が過酷なほど効果をあらわします。
●耐摩耗性の向上
下地の硬い窒化層が、耐摩耗性を向上させます。特に、塩浴窒化では形成が難しい、ポーラス(多孔質)ではない窒化層は、初期磨耗対策として効果的です。
●ギヤ鳴りの低減
軟らかい浸硫層が摩擦抵抗を低下させ、ギヤ鳴りを低減します。
●変形・変寸の低減
加熱や窒化によるひずみを低減することができます。
- 用途
- シム、スラストワッシャー、エンジンのタイミングギヤ、ベーン、ボールペンのボール、エンジンバルブ、SUS製シャフト、熱間鍛造型、アルミダイキャスト型、等